明るい?闘病生活

授業が冬休みに入って時間にゆとりができたので、様々な検査を受けまくった。ドクターショッピング状態だ。倒れた週にMRIをとったのを皮切りに、近くの循環器科で血液検査、尿検査、ホルター検査もした。もちろん、せっかく24時間心電図計をつけているので、走って帰って、自転車で通勤した。残念ながら、この日はあまり体調がよくなくなかったのか、特に異常もなく、不整脈も1日のうちで23回しかなかった(出現比率0.02%)。

 

 体の具合が悪いと、保険がきくのでMRIだって、たったの5000円。脳ドッグに入ったら5万円はする。ホルターも趣味でやったら6万円か!?ドクターショッピングというよりも、ドクターアウトレットモールだな。

 

 そのどこでも異常は発見されず、とうとう精神科にも行った。心理学者の端くれとして、一度は言ってみたいところだったが、さすがに外部の精神科にいくのは気が引けて、学内の精神科の先生に診てもらった。倒れた週の様子を話すと、「その時診ていたら「鬱」だと診断したかもしれません」と言われたが、「現在の状況ですと、それは「鬱」とは言いません」と言われた。なかなか鬱になるのも大変なようだ。でも、この2年ほどの仕事ぶりを話すと、「それは近い将来鬱になる危険性も低くはない」ということで、薬を処方してもらうことになった。

 

 向精神薬。これも心理学者としては一度は試してみたいものの一つだ。人間の心なんて、メカニズム的には微量のホルモンや薬物でずいぶんと揺れ動いている。そんなことは教科書的な知識として知ってはいるが、自分の体で試すことができるのだ。そう思ってはしゃいで帰ってきたら、アシスタントの石原に「そんなの鬱じゃありません!」と言われた。

 

 もらったのはドグマチールとデパス。ドグマチールは名前からして効きそうな薬だが、元々は胃薬だったようだ。処方された50mgは今でも胃薬の範疇だ。「気休めと思って」と言われた。プラシーボってことか。もう一つのデパスは睡眠誘導剤。これは実際よく効いた。もともと眠りが浅かったほうだが、それが疲労の原因となっていることは確かだった。その疲労感が日ごとに和らぐ。

 

 二度目の診察の時、ふと思い出した。「この薬ってドーピング大丈夫だろうか?」先生に聞くと、ドーピングのことを理解していない反応が返ってきたので、思わず「先生、ドーピングっていうのは・・・」と説教してしまった。