南極行き最後の難関であった健康診断の判定結果が返ってきた。所見はついているが、合格とも大丈夫とも書いていない。隊員や同行者を決定する最高機関である南極地域観測統合推進本部に同行者として推薦することが書かれていたので、パスしたということなのだろう。
所見がついたのは、γ―GTP等だった。いくつかの項目が静岡ではできないと分かってから、東京で健診を受けることにした。どうせ東京にいくなら、ついでに11月開催の東京アーバンアドベンチャーの調査もしてこよう!7月上旬の日曜日に調査、月曜日に受診という予定を設定した。アーバンアドベンチャーは東京の世田谷を中心とする約19km。それを古地図で回るから実走25km。天気もよくて、くたくただったが、「里山」を走った楽しさと心地よいトレーニング後の疲労感が残った。
やや!?前にも似たようなことがあったぞ!人間ドッグの前の日に、うっかりスピードトレーニングをして、くたくたになったのだ。その時もγ―GTPの数値が悪くて経過観察になってしまった。問診を受けた医師は「関係ない」というが、どう考えても激しい運動の影響だ。練習後は近年ないほどに疲労困憊で、「ハードトレーニングした!」っていう充実感でいっぱいだった。
かつて現役選手だったころは人間ドッグを受けると、血液系の所見がいくつもついたが、骨折して3ヶ月間ハードなトレーニングができなくなっている時には、異常所見は一切みられないということがあった。今回の所見は、ハードトレーニングができる身体になった。身体がそれに応えてくれているのだ、とポジティブに捉えておこう。
問診票に書いたうつの治療歴は問題にならなかったようだ。もう10年近くも前のことだしね。南極では冬(日本の夏である6月)に終日太陽がでない極夜があり、そのころに隊員のうつ傾向が指摘されてきた。これはどの国の基地でも見られるようで、「Over winter syndrome」として研究対象になっている。越冬隊員であれば、なんらかの再確認があったのかもしれない。
かくして、一応全てのハードルがクリアされた。やれやれだ。まだまだ準備の日々は続く。寒冷地に向けての様々な耐寒装備はもちろんだが、過酷な環境の中での行動観察や記録がうまくいくかについても事前にもう少しシミュレーションが必要だ。行く前に疲労で倒れないことか・・・。まだまだハードルは続く。
(写真は5月の時の調査の様子から)