フリマントルにて

西オーストラリア州最大の都市パースはやや内陸に位置しているため、その外港として稼働しているのがフリマントルである。僕らはここに直行で来るが、約2週間の長旅をしたしらせと自衛艦はここで、積荷としばしの休息を取る。休息とは言え、在留邦人や地元有力者を招くレセプションや日本人学校の見学会があり、大変だ。海上自衛隊だからどんな船だって操れるのは当然としても、子どもから大人までそれぞれに趣向を凝らした接待をするのは大変だろう。多彩な活躍には頭が下がる。

 

 しらせに乗ると、いよいよ南極に向かうのだという心持ちが高まるが、積荷整理の手伝いなどは拍子抜けするくらいの作業量で、その分陸に上がってジョギングしたり、街のスーパーで買い忘れたものを買ったりと、日常的な生活に引き戻されてしまった。港を離れれば覚悟も決まるのだろうが、まだ何か買えると思うと、帰って「忘れ物はないだろうか?」と不安になってしまう。

 

 結局出発までには終わらなかった仕事もこの数日で片付けることができた。まさかそのために数日のバッファーが取ってあるわけではないだろうか、人間なにかと完璧にはできないものだ。こうして余裕があるからこそ、仕上げられる仕事もある。明日からはメールがほぼ使えない生活が20日間も続く。そもそも船外とのメールは実質的な意味を持たないだろう。メールが日常に入って20年以上経て始めてのメール無しの生活はどんなものになるだろう?

 

 今日12月1日が最後の滞在日で、明日の10時にフリマントルを出港する。