5.さらに遙かな道

 健診の舞台は代々木病院・泌尿器科から静岡・循環器に移った。指導学生の親族が循環器の専門医だというので、一応評判を聞いて、A病院にいくことにした。再度エコー検査をして診察を受けたが、やはりよくわからないので、造影剤を使って静脈の評価をしようということになった。

 5月31日の夕方に受診。食べ物も入浴も制限がないが、造影剤を尿から排出するために水分が必要なので、運動をするなと言われた。検査後はがっつりトレーニングするつもりだったので、( ̄0 ̄)。

 

 いろいろ検査を受けての6月11日の診察では、「こんな大きなもの(静脈瘤)は僕も初めてみました」静脈と言えどもそんなことを言われると心配だ。その上、ふくれているのは動脈と短絡している可能性もあるという。そんなことが起こるのか?それって瘤が破裂したら動脈みたいに大出血するってこと?しかし、大きな血管での短絡は治しようがあるらしい。面倒なのは、脚の血管のように細い部位では手術のしようがないとのことらしい。いやはや憂鬱な気分になる。再度泌尿器科と腎臓内科も受診することになった。

 

 この話は、念のため僕のバックアップになるはずのSさんに伝えた。万が一以上の確率で交代してもらう可能性がある。あまり期待を持たせてもいけないので、伝え方が難しい。「嬉しい?」と聞くと。素直に「嬉しい」と行ってくれたので、ほっとした。「そんなことないですよ。村越さん、大丈夫ですよ。頑張ってください」などと言われた日には、余計落ち込む。

 

 これも、遙かな道のりの一部なのだ。しかもこの道は、知らない稜線で進む巻き道のようなものだ。下手すると、もう二度と主稜線には戻ってこないかもしれない。