カテゴリ:2019年6月



 第一次隊の隊長西堀栄三郎さんは南極に行ったときには50歳代の半ばだった。父が観測隊長だったのは50歳の時。自分が60歳目前で南極にいくことになるとは思わなかった。かつては、隊員の条件として「概ね50歳まで」というのがあったらしい。それはなんとなく知っていたので、最初に南極に行きたいと思った時には、まず年齢的にいけるのかどうかというのが気になった。  「元気だったらいいんですよ」と、国立登山研修所の所長に言われて(現在も冬期訓練には講師を派遣している)、まあ大丈夫なのだろうとは思ったが、年齢の限界というのは常に気になっていた。今回越冬中に還暦を迎える私は、さすがに今回最高齢だ。ただし、残念ながら南極での還暦は初ケースではないらしい。しかも日本の高齢化に伴い観測隊も高齢化している。50歳を超える隊員は沢山いて、今回は55歳を超える越冬隊員も3人いるようだ。  54歳の「準会員」も加えて、「お達者クラブ」を結成。皆さん越冬経験者ばかりで、私は最年長ではあるが、南極に関しては青二才だ。
 健診の舞台は代々木病院・泌尿器科から静岡・循環器に移った。指導学生の親族が循環器の専門医だというので、一応評判を聞いて、A病院にいくことにした。再度エコー検査をして診察を受けたが、やはりよくわからないので、造影剤を使って静脈の評価をしようということになった。