カテゴリ:2019年11月



オーストラリア便の出発は夜なので、朝大学の事務に挨拶をして、慌ただしく新幹線に乗った。ちょうど2年前のことが思い出される。日帰りのために成田空港にいく経験などないので、必要ないと分かっていても、パスポートを持っていない事実が不安になる。今日は第61次南極観測隊の出発式。  今や、別働隊も何隊も出ているのだが、やはり大多数である本隊が日本を発つ日というのは特別感がある。空港の駐車場2階にある貸し切り待合室で、簡単なセレモニーが行われる。中村極地研所長、文科省の担当課長、そして青木隊長、青山越冬隊長、熊谷副隊長の挨拶が続く。後は集合写真を撮るだけの簡単なセレモニーだが、隊員を送り出す家族の身には格別なできごとだろう。  過酷な自然環境での生活も、リスクに対する感覚にもなんの心配もない宮内隊員だが、研究者として送り出すのに、不安がないわけではない。「娘を送り出す父親の気分」と言ったら、お父様に対して僭越だろうか。お父様は、「アドベンチャーレースをやるといった時から、何があっても覚悟はできています」とおっしゃっていたので、むしろ僕の方が遙かに不安なのかもしれない。  出発ロビーに戻ると、国家プ
南極で使うウェアラブルカメラは何がいいのだろう?とにかくバッテリーを持たせたい。冷凍庫でその「実証実験」。
研究室の机の前に「《理予》性」と書かれた色紙がある(《》内は一字)。大学院の恩師「妻木老人」の退官記念にいただいたものだ。彼は退職後、大学のすぐ近くにある妻木という集落に住んだことから、妻木老人と名乗っているが、もちろん「サイコロジイ」のダジャレである。物事について筋道を立てて考える「理」と、伸びやかで自由なことを表す「野」が里を介してつながっているのが面白いが、こちらただの駄洒落ではない。その両方を発揮して研究に励みなさいという恩師の教えだろう。